『夢をかなえるゾウ0(ゼロ) ガネーシャと夢を食べるバク』(水野敬也著)は、人気シリーズの中でも“原点”に立ち返るような一冊です。
物語の始まりはショッキング。主人公は医師から**「余命わずか」を宣告される**のです。
しかも彼には、やり残した夢すら思い出せない。
「死を前にしても、やりたいことが浮かばない」という状態で物語は幕を開けます。
これは決して特別なケースではありません。
僕たち現代の大人も「夢なんて考えたことがない」「最近は思い出せない」という感覚を抱えていることが多いのではないでしょうか。
❤️ 「夢を忘れる」のは大人の宿命?
仕事、家庭、育児、そして日々の生活に追われる毎日。
夢を語る余裕なんてなく、タスクをこなすだけで精一杯になってしまう――。
- 毎朝の支度や子どもの送り迎え
- 終わりのない仕事のノルマ
- 帰宅後の家事の山
この繰り返しの中で、「本当にやりたかったこと」は少しずつ心の奥へ押し込められていきます。
主人公が夢を思い出せなかった姿は、僕たち大人が置かれている現実をそのまま映し出しているようです。
👨 パパ視点:子どもに聞かれて気づいた「夢の空白」
僕も実際に長女から「パパの夢ってなに?」と聞かれたことがあります。
その瞬間、言葉に詰まってしまったんです。
「夢…? そういえば最近、自分の夢なんて考えてなかったな」
子どもに対して誇れる答えが出てこなかった自分に、正直ショックを受けました。
それ以来、小さなことでも「これがやりたい」と言えるように意識するようになりました。
- 家族でテニスがしたい
- 新しいスポーツに挑戦してみたい
- このブログを育てていきたい
大げさな夢ではなくても、“日常サイズの夢”を口にすると、子どもが目を輝かせて聞いてくれるんです。
それだけで、夢を持つことの大切さを改めて実感しました。
💡 ガネーシャが投げかける問い
そんな主人公の前に現れるのが、破天荒でユーモラスな神様・ガネーシャ。
彼は容赦なく問いかけます。
「夢を持たへんまま人生終わってええんか?」
この言葉は、主人公だけに向けられたものではありません。
読者である僕たち一人ひとりに突きつけられています。
夢を忘れてしまった大人に、
「今からでも思い出せ」
「人生をもう一度、自分の夢で動かしてみろ」
そう背中を押してくれるのです。
👍 夢は大きくなくてもいい
「夢」と聞くと、多くの人が「成功者」「有名人」みたいな大きなイメージを思い浮かべます。
でも実際には、もっと身近でいいんです。
- 子どもと一緒に作った料理を家族で食べたい
- 新しい本を読んで学びたい
- 誰かをちょっと喜ばせたい
そんな小さな夢でも、日常を前向きに動かすエネルギーになります。
👨 パパ視点:日常に転がる“夢のタネ”
僕自身、『夢をかなえるゾウ0』を読むまでは「夢は特別な人が持つもの」と思っていました。
でも今は違います。
夢は日常に転がっている。
- 子どもとテニスをする
- 妻に「ありがとう」を伝える
- 家族で旅行を計画する
そんな一つひとつが僕にとっての夢であり、前に進む理由なんだと気づいたんです。
子どもに「パパも夢を持ってるよ」と言えるようになったこと、それ自体が大きな変化でした。
✍️ まとめ:夢を忘れた主人公は僕たち自身
- 夢を忘れてしまうのは特別なことではない
- 忘れていた夢を思い出すことから人生は動き出す
- 大きな夢でなくてもいい。日常に根ざした夢が心を豊かにする
『夢をかなえるゾウ0』は、「夢を持たないまま終わることの怖さ」と「夢を思い出すことの希望」を同時に描いています。
主人公がどう夢を取り戻していくのか――その旅は、僕たち自身が「自分の夢を探す旅」になるはずです。
📖 参考・引用元
水野敬也 (2022). 『夢をかなえるゾウ0(ゼロ) ガネーシャと夢を食べるバク』 文響社.
👉 次回は 【第2回】ガネーシャと夢を食べるバク ― 夢を妨げる存在とは? をテーマにお届けします。