『夢をかなえるゾウ0(ゼロ) ガネーシャと夢を食べるバク』(水野敬也著)の物語は、主人公が「夢を持ちたい」と思った瞬間から、新たな壁にぶつかります。
それは――**「失敗への恐れ」**です。
夢を思い描いたとしても、多くの人が一歩を踏み出せないのは、「もし失敗したらどうしよう」という不安に飲み込まれるから。
この恐れこそ、夢を食べるバクが大好物にしている“エサ”なのです。
❤️ なぜ人は失敗を怖がるのか?
子どもの頃、僕たちは何度も転びながら自転車を覚え、何度も失敗しながら逆上がりを練習しました。
でも大人になると、挑戦する前から立ち止まってしまう。なぜでしょうか。
- 家族や周囲の期待を裏切るのが怖い
- お金や時間を無駄にしたくない
- 「あの人、失敗したらしい」と陰で言われたくない
大人になると「守るもの」が増える分、失敗のリスクが大きく見えてしまいます。
そして、その恐れが行動を止め、夢をバクに食べさせてしまうのです。
ガネーシャはこう言います。
「失敗はな、夢を育てるための栄養や。失敗せんと成長も成功もないんやで」
失敗は避けるべきものではなく、夢を育てるための“必須の栄養”なのです。
👨 パパ視点:子どもが教えてくれた「失敗の価値」
僕も正直、子どもたちの前で「失敗する姿」を見せたくないと思うことがあります。
父親として格好いいところを見せたい。
でも、長女が自転車の練習で何度も失敗している姿を見て、ハッとしました。
「パパ、できなかったけど、もう一回やる!」
その言葉に心を打たれました。
子どもは失敗を怖がっていない。むしろ失敗から学び、挑戦を続けて夢に近づいている。
その姿は、まさにガネーシャの教えそのものでした。
「親の僕が失敗を恐れてどうするんだ」――そう思い直した瞬間でした。
💡 ガネーシャが語る“失敗の意味”
物語の中でガネーシャは「失敗=夢を食べるバクに餌をやること」と表現します。
一見すると「バクに餌をやるなんて危ないのでは?」と思いますが、実は逆なんです。
- 失敗を恐れて行動しない → バクが飢えて暴れ、夢を食べ尽くす
- 失敗を繰り返して経験する → バクは満腹になり、大人しくなる
つまり、失敗は夢を奪うのではなく、バクを鎮め、夢を守るための武器でもあるのです。
👍 今日からできる小さな挑戦
失敗を怖がらずに挑戦するために、僕自身が実践している工夫を紹介します。
- 「新しいことを1日1回やってみる」
料理の新メニューに挑戦する、初めてのルートで帰宅する――小さな挑戦でOK。 - 「失敗日記」をつける
その日の失敗を書き出し、「次にどう活かすか」をメモする。すると失敗が学びに変わります。 - 「挑戦を家族に共有する」
「今日はこんなことに挑戦したよ」と話すだけで、家族との会話が増え、子どもにも挑戦の価値を伝えられます。
👨 パパ視点:失敗を見せることで生まれる笑顔
最近、僕はあえて子どもたちの前で「できないことに挑戦する姿」を見せるようにしています。
例えば料理。普段やらないメニューに挑戦して、盛大に失敗することもあります。
でもその時、子どもたちが「パパすごい!」「次は一緒にやろう」と言ってくれるんです。
失敗を笑い合えることで生まれる会話や笑顔。
それこそが家族にとっての“夢の一部”なんだと感じます。
✍️ まとめ:失敗は夢を遠ざけるものではなく、夢を育てるエサ
- 失敗を恐れると、夢を食べるバクが喜んでしまう
- 失敗を重ねることでバクは満たされ、夢は逆に育っていく
- 子どもは失敗を怖がらない。大人こそ、その姿勢を学ぶべき
『夢をかなえるゾウ0』は、失敗を「避けるもの」から「育てるもの」へと視点を変えてくれる物語です。
挑戦と失敗を積み重ねることが、夢への最短ルートであることを改めて教えてくれます。
📖 参考・引用元
水野敬也 (2022). 『夢をかなえるゾウ0(ゼロ) ガネーシャと夢を食べるバク』 文響社.
👉 次回は 【第4回】夢は“人とのつながり”で広がる ― 仲間がバクを追い払う理由 をテーマにお届けします。